「FLOWER EMBROIDERY SERIES」
CLANEは今年で10周年を迎えます。
「FIVE FINGERS DENIM」は、
10年間を振り返った時に特に思い入れのあるアイテムの⼀つ
「EMBROIDERTY SOUTIENCOLLAR COAT」
節⽬の年の今だからこそ、また気持ち新たにやりたいなとリバイバルを決めました。
ブランドの⽴ち上げ当初、コレクションの中で顔となるアイテムとして⽣まれた刺繍のコート。
「1枚の絵」としての美しさに拘り、
ベースはシンプルなステンコートに⼤胆な⼤柄の刺繍を施したのが始まりです。

リバイバルするにあたって、作るなら今の気分も取り⼊れたマニッシュな
ジャケットとパンツのセットアップで作りたいという想いから今回は2アイテムを製作。
デニムに⼤柄の刺繍の掛け合わせを想像したら気持ちが高まり、
過去のアーカイブから今回のデザインに落とし込めるようにグラフィックをアレンジしています。

⼀番時間をかけて丁寧に⾏なったのが柄のシュミレーション。
モチーフの花柄と葉は植物らしい流れるような⾃然な動きで
始まりと終わり、余⽩の使い⽅、着た時の刺繍の位置とバランス。
何度も何度も試⾏錯誤し、美しさを追求しました。

実際のトワルを使って刺繍のシミュレーションを⼿書きで⼊れる作業は、
デザイナーとパタンナーとムードの共有をするために⼤事な⼯程。
ここで初めて洋服に刺繍を⼊れた時のイメージが出来て、
それぞれのアイテムに柄が⼊った時のバランスと、
着た時にスタイル良く⾒える位置を調整します。
洋服に命が⼊り、みんなの気持ちが⼀つになる瞬間です。

今回は素材違いで、ブルーとベージュの2⾊を作製。
デニムは⽣地に刺繍を⼊れてから製品に仕⽴て、最後にウォッシュ加⼯しているため、
加⼯が⼊った状態を想像して刺繍の⾊味や密度を調整しました。
形にしてから加⼯が⼊るので、縫い⽬や裾などのあたりの具合も⾵合いとして活きています。
ベージュはモードな要素を感じるウール混の梳⽑⽣地。
より綺麗めでかっこ良く仕上げました。
⽣地によって刺繍の⾒え⽅が変わるので、刺繍は⽣地に合わせて密度を細かく変えています。


シンプルなアイテムにこそ、⼤胆な刺繍が映える。
⼤切なベースの形にはとても拘りました。
とことん格好良く、肩パットで肩のシルエットを協調させマニッシュに。
袖は⻑めで、しっかりボックスを描くように意識しました。
そこにエレガントな刺繍を⼊れることで⼥性らしさを。
デニムはカジュアルさの中にもしっかりモードで綺麗なジャケットとして⾒えるように、
あえて表にはステッチを⼊れず作っています。
ジャケットの裏地はデニムには⾝頃と袖⼝の⾒える部分にスレキを使い、
デニムの雰囲気に馴染むように。
袖を通しやすいように⾒えない部分に滑りのいい裏地を使⽤。
ブルーとベージュの2⾊は同じデザインですが、
違う世界観でそれぞれの雰囲気を最⼤限に活かして作られています。

華やかさが際⽴つ刺繍パンツは、
シルエットは90年代のニュアンスを感じるリラックスしたテーパードシルエット。
⼤胆な前⾯刺繍ですがシルエットに抜け感があります。
野暮ったくならないようにジャストウエストで腰回りはすっきりと仕上げ、
わたりより下は少しゆとりを持たせ脚が綺麗に⾒えるように作りました。
着た時のバランスを考え、刺繍の始まりと終わりの位置にも拘っています。
⼤柄刺繍なので、刺繍はあえて前⾝頃のみに施すことで履き⼼地の良さも追求しています。
余⽩のバランスが絶妙で、⾃然と着こなせてしまう。そんな拘りの1本です。
CLANEの新たなコレクションアイテムとして⽣まれ変わったおすすめのアイテムです。
